うつ病が日本を滅ぼす!?香山 リカ
創出版 刊
発売日 2008-05-20
価格:¥1,575(税込)
発送可能時期:通常24時間以内に発送
オススメ度:★★★★
読むと余計鬱になるかもしれない。 2008-06-12
秋葉原で起きた、トラックとナイフを使ったあの痛ましい事件も、
加害者の、彼女ができない、僕を見てほしい、と鬱屈した気持ちの行き場の無さが目立つ。
こういう現代において顕著な、猟奇的な自己迷走犯罪の数々に焦点を合わせて論じている。
著者曰く、
会社で働くというワンノブゼムという意識と、
プライベートであるユニーク・ワンという意識がある。
高度経済成長期から、仕事に生きがいを見出してきた今までの世代に対して、
今の世代が初めて、ユニーク・ワンをも満たさなくてはいけない状況に直面している、と指摘している。
ある程度安定した生活を送っても、彼女がいなければ、犯罪を犯すほどのストレスを溜めてしまう時代、それが現代だと。
もちろん、秋葉原の事件でも、後者が満たされておらず、「将来に期待しようよ!」と言っても、加害者に充分な想像力と忍耐が無ければ、心には決して届かないのかもしれない。
著者はあえて、すべてに結論を出していない。可能性の羅列である。
さらに、大学の教授だが、専門知識というよりも、エッセイに近い文体であるので、読みやすい反面、「それはあなたの考えでしょ」と一蹴される危険もはらんでの上梓である。
本書は、読者自身が、事件の不明瞭さや内容の曖昧さと戦い、辛抱強く噛みくだすことを要求する。
それでも、自転車の補助輪のように、いつかは自走できるよう、助けてくれるだろう。
だから、あえて薦めさせていただく。
さらに詳しい情報はコチラ≫この記事は2008/7/1に作成しました。